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産業保健師になりたい!求人情報はどう探す?産業保健師転職の実際

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産業保健師になりたい!求人情報はどう探す?産業保健師転職の実際

こんちは。現役産業保健師の きむこ です。

これから産業保健師として働きたい!と思っているあなた。希少求人と言われることもある産業保健師の求人情報をどうやって探すかご存じですか?

この記事では、産業保健師の求人を探す方法や求人活動の実際について解説します。

産業保健師の求人を探す方法

産業保健師の求人はそもそもの絶対数が少ないため、いくつかの手段を組み合わせて情報収集を行うことが大切です。

求人サイトの活用

求人サイトを利用することで、多くの企業の求人情報を一度に確認できます。”産業保健師だけでなく、”たとえば、“企業 保健師”や“健康管理”といったキーワードで検索すると良いでしょう。

  • 具体例: 看護職に特化した転職サイトだけでなく、一般職向けの転職サイトもチェックしてみましょう。
  • 特徴: 特に一般職向けの転職サイトは業界や地域を絞り込む機能もあり、条件に合った求人を見つけやすいです。
  • 注意点: 応募期限や必要資格をよく確認しましょう。

企業の公式サイトからの情報収集

特定の企業で働きたい場合、その企業の公式サイトを訪問することも有効です。採用情報のページには、詳細な募集内容や職場の情報が掲載されています。

  • メリット: 最新の求人情報が手に入ります。
  • 具体例: 製造業や大手企業の公式サイトに掲載されている場合があります。
  • コツ: 定期的にチェックすると見逃しを防げます。

SNSやコミュニティを利用する方法

SNSや専門コミュニティも情報収集に役立ちます。特に、産業保健師のグループやフォーラムでは、リアルな体験談や求人情報が共有されることがあります。学会も

  • 利用例: SNSの産業保健師のグループなどの産業保健職のコミュニティで求人情報が得られる場合があります。有料ですが、産業保健オンラインコミュニティ(通称:COEDOH)内での求人情報が得られる事があります。
  • メリット: 実際に働く人の意見を直接聞ける可能性があります。
  • 注意点: 信頼性の低い情報には注意が必要です。(SNSやWeb全般に言えますよね・・・。)

産業保健師としての業務内容

”産業保健師”というと、漠然と「企業で働いている保健師」で、健康相談を受けるというイメージをする方もいらっしゃいますが、産業保健師の役割は、企業で働く人々の健康を守ることです。具体的には以下のような業務を担当します。

日常業務と特別な業務

日常的には健康診断の計画やフォローアップを行います。また、ストレスチェックや健康相談も重要な業務です。特別な場合には、感染症が発生した際の対応や職場環境の改善提案をすることもあります。

  • 日常業務:
    • 健康診断の調整
    • 従業員の健康相談
    • ストレスチェックの実施
  • 特別な業務:
    • 感染症予防策の立案
    • 休職者の復職支援

ここに挙げた業務は一般的に産業保健師が担当する業務ではありますが、企業によっては業務を限定的にしているケースもあります。健康相談業務や健診のフォローアップのみを保健師の業務としている企業もあります。

企業における役割

産業保健師は、企業内の健康管理の専門家として活躍します。職場環境の改善や従業員のメンタルヘルスケアにおいて、重要な役割を果たします。

さらに、このような直接的な役割だけでなく重要なのが健康課題を整理し、必要な部署やリソースなどとつないでいくようなハブとしての役割です。
15年以上、産業保健師として仕事をしてきましたが、このハブとしての役割が最も重要かつ産業保健師の仕事の醍醐味ではないかと感じています。

産業保健師に必要なスキル

産業保健師として働いていくためには、次のようなスキルが必要です。

  • コミュニケーション能力: 従業員との信頼関係を築くため。
  • 分析力: 健康診断データを読み取り、対策を立てる。
  • 提案力: 経営陣にわかりやすく改善案を伝える。

どの仕事にも言えることかもしれませんが、コミュニケーションスキルはあればあるだけ良いです。前述したようにハブとしての役割が重要となるので、当然、各部署やリソースの提供元との調整が発生します。どんな人とも円滑にコミュニケーションが取れることが重要です。

人気のある産業保健師求人

産業保健師が人気の理由として、資格を活かしつつ規則正しい勤務=生活ができるとことが挙げられます。そのため、結婚や出産を機に産業保健師に!と考える方も多いようです。
以前と比べれは求人そのものは増えてきましたが、やはり絶対数は少ないので全体的な倍率は高めです。人気の高い求人だと、数十倍の倍率になるのは日常茶飯事。ちなみにきむこが経験した一番高い倍率は75倍ですw

大手企業の求人情報

大手企業では、安定した勤務条件や充実した福利厚生が魅力です。その分倍率は高いです。

  • 具体例: 世界に名を知られる大手自動車メーカーのト○タ、大手電機メーカーのパナ○ニックなどの大企業では、産業保健師の募集が定期的に行われ、中途採用だけでなく新卒採用も行っています。
  • メリット: 給与が高めで、キャリアアップの機会も多いです。

求人の特徴

企業数が多いため、東京都内とその近郊は産業保健師の求人が多くあります。次いで愛知が多いそうです。また、地域毎に多い業種があり、首都圏であればIT企業や金融系、愛知県は自動車関連をはじめとする製造業、九州は食品産業、といった形です。

引っ越しが苦でない場合などは、現在のご自身がお住まいの地域だけでなく、他の地域の求人も見てみるのも良いかもしれません。

産業保健師の勤務条件

産業保健師として長く働きたいと考えているのであれば、勤務条件の確認は必須です。医療機関での経験の長い方は特に、あまり雇用形態を重視しない方が多いようですが(きむこの体感です)、個人的には常勤か非常勤かといった勤務形態ではなく、正社員か派遣会社かといった雇用形態を確認することが重要だと思います。

正社員と契約社員の違い

正社員と契約社員では、雇用形態や待遇に違いがあります。

  • 正社員:
    • 雇用が安定しており、福利厚生が充実していることが多い。
    • 昇給やボーナスがある場合が多い。
  • 契約社員:
    • 一定期間で雇用契約が更新される。
    • 正社員より柔軟な働き方が可能な場合もある。

契約社員をはじめとする非正規雇用が悪いというわけではなく、ご自身が働くことに対してどのような心構えなのかで選択は変わってくると思います。是非、ご自身がどう働きたいのか、働くことにどんな事を求めているのか、考えてみてください。

休日や勤務時間の選択肢

産業保健師といえど、直雇用の場合には雇用先が決定した就業時間となります。現在はフレックスタイム制やリモートワークを可としている企業も多いですが、職種によって制限されているケースもあります。

製造業は独自の勤務カレンダーを使用している事が多いようです。原則的に土日は休みでも就業日数の関係で土曜出勤が数回あったり、いわゆるト○タカレンダーのように祝日であっても月~金は出勤という場合もあります。
特にお子様がいるご家庭は、勤務時間だけでなく勤務日も確認してください。

給与や福利厚生の確認

給与は正直かなり幅があります。正社員でも300万円~1,000万円近くまで、採用先の給与水準だけでなく期待される役割でもかわります。同一企業でも経験者と未経験者とで別々に求人を出しているケースもあります。

一般的に医療機関勤務から産業保健師へ、産業保健未経験で転職した場合だと年収は下がることが多いです。産業保健師として働く場合、基本的には夜勤などはありませんので、そういった手当がなくなるというのが大きいようです。

全くの余談ですが、生活リズムが規則的になり、食欲が落ち着くからだと思いますが、転職してから痩せる方が多いです。

産業保健師の転職活動の進め方

では実際の転職活動はどのように進めていけばよいのでしょうか?転職活動を成功させるための準備とながれは次の通りです。

履歴書と職務経歴書の書き方

履歴書と職務経歴書、特に職務経歴書は採用担当者に自分をアピールする重要な資料です。転職や就職活動はよくお見合いに例えられますが、履歴書や職務経歴書はお見合いでいう釣書です。「会ってみたいな」「もっとこの人のこと知りたいな」と思ってもらえると面接となります。
ちなみに履歴書と職務経歴書は全く別のものです。

  • ポイント:
    • 自分の経歴を簡潔に記載。
    • 志望動機を明確に伝える。
  • 例: 健康管理の実績や具体的なエピソードを盛り込む。

面接対策と自己PR

面接では、企業が求める人物像に合致するかが評価されます。

  • 準備すること:
    • 企業の特徴や業務内容を調べる。
    • 自分の強みを具体的に話せるよう練習する。

面接の場で自分がどんなに産業保健師になりたいかを熱意を持ってお話してくださる方もいますが、面接で伝えるべきなのは産業保健師になりたい理由ではなく、自分が産業保健師としてどのように応募企業に貢献できるか、です。言われればその通りだと感じると思いますが、実際の面接の場では産業保健師になりたい理由を熱弁される方を多くみかけますので、気に留めておいてください。

応募から内定までの流れ

応募から内定を得るまでの一般的な流れを把握しておきましょう。面接は1回だけでなく、2~3回あることも多いです。加えて、書類選考通過後や、複数回ある面接の間に適正検査などがあるケースもあります。

  • 流れ:
    1. 求人応募
    2. 書類選考
    3. 面接
    4. 内定

求人応募から内定までにかかる期間は、企業側がどれくらい採用を急いでいるかでかなりかわってきます。短ければ1か月程度、長いと3~4か月になることもあります。

未経験から産業保健師になる方法

配置人数が少ないため、圧倒的に経験者採用の求人が多い産業保健師。だからと言って、未経験者が産業保健師になれないわけではありません。

必要な資格と研修

当然ですが産業保健師として働くには、保健師資格が必要です。加えて産業カウンセラー等の他の資格を持っている場合は採用のアドバンテージになると思います。また、産業保健に関する研修を受講しておくと、面接対策にもなりおすすめです。

未経験者向け求人の探し方

実は未経験者も積極的に採用しているケースがあります。新人保健師の育成を行うだけのスタッフの厚みがある企業=大企業です。求人件数そのものがたくさんあるわけではないですし、待遇も良いのでなかなか皆さん離職しませんが、求人があればチャレンジしてみるのがお勧めです。

求人件数が多いのは中小企業ですが、保健師の配置人数が少ないこともあり、大抵は産業保健経験がある程度問われます。

産業保健師の働く環境

産業保健師が働く環境は、企業ごとに異なります。実は業種毎にも特徴があります。

企業文化と職場環境

企業文化や職場環境というのは、本当に企業毎に大きく違っています。トラディショナルカンパニーなのかベンチャーか、企業の歴史によっても傾向があります。
トップダウンorボトムアップ、規律的or自由など、どんな企業で働きたいか、自分は合っているかを知っておくようにしましょう。企業文化や風土と自分の仕事の仕方が合わないと、仕事が辛く感じてしまいます。

チームワークとコミュニケーション

産業保健師として働く際、他職種との連携が求められます。多職種連携がしやすいかどうかで、働きやすいかどうかが変わってくるでしょう。横のつながりが積極的でない企業の場合は、産業保健師としての職務に少しやりにくさを感じるかもしれません。

自分自身のストレス管理

自身のストレス管理も重要です。健康相談はフィジカル面ばかりではなくメンタル相談も多くあります。場合によっては気が滅入るような話を1日に何人も聞いた上で、プロフェッショナルな対応を求められます。気分が引っ張られて業務に支障がでないよう、ご自身のストレス管理も重要です。
そういった点で、気軽に相談できる環境か、困った場合の頼り先はあるか、なども働く環境としてチェックしておくと良いでしょう。

企業の選択基準

企業選びは、転職活動の重要な要素です。厳しいですが、産業保健師になりたいからという理由だけでの応募では、「じゃぁうちが良いと思ってくれてないのね」となり、採用は難しいでしょう。
応募先の企業はしっかりと研究したうえでそれに見合った応募内容にしましょう。

自分に合った企業の見つけ方

自分の価値観やキャリアプランに合った企業を探す必要があります。前述した通り、企業文化は本当に様々です。より働きやすい職場環境となるよう、ご自身の傾向や考え方を整理してみましょう。

企業のホームページだけでなく、会社の評判などのサイトで口コミを見てみるのも良いと思います。

企業の理念や業務内容の理解

応募前に企業の理念や業務内容を理解することが大切です。新卒採用のページがある場合は、企業理念や業務内容がまとまって書かれているので必見です。また、採用ページでは企業がPRしたい部分がわかります。健康に関する施策がPRされている場合は、健康管理に力を入れているかこれから力を入れていこうと考えているケースが多いです。

労働条件の確認ポイント

労働条件が自分の希望に合っているかは必ず確認しましょう。みなし残業代の支給となっているケースもあるので、残業の取り扱いについても確認が必要です。
契約社員などの場合は、更新の有無や条件なども確認が必要です。ご家族がいる場合などは特に、転勤の有無についても確認しておくのが良いでしょう。

まとめ

産業保健師は、働く人々の健康を守る重要な役割を担っています。そのため、自分に合った職場を見つけるには、求人サイトや企業の公式サイト、SNSなどを駆使して情報を収集することが大切です。また、業務内容や必要なスキルを理解し、履歴書や面接の準備をしっかりと行うことで、転職活動を成功に導くことができます。確かに産業保健師は経験者採用が多いですが、未経験だからできないというわけではありません。
臨床とは異なる視点で非常にやりがいのある仕事です。いつかこの記事を読んでいるあなたと働くことができるのを楽しみにしています!

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この記事を書いた人

気づいたら20年近く産業保健師をしていました。
現在は独立し、主に中小企業向けの産業保健サービスを行っています。
プロフィール画像は幻想でできています。

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